親亡き後問題と民事信託

 

民事花子さん(78歳)には、

ご長女の幸恵さん(40歳)と

次女(35歳)がいます。ご主人は他界されています。

次女は結婚し、ご主人と子供1人で幸せに暮らしています。

 

ご長女の幸恵さんは、重い知的障害があります。

花子さんは、幸恵さんと同居し、身の回りのことは、母親の花子さんがしてきました。

しかし、いつまで幸恵さんの面倒を見られるのか、心配です。

花子さんの心配(希望)

・自分が認知症にかかってしまったらどうしよう

自分が亡くなった後の幸恵さんが心配

・できれば、次女に幸恵さんの面倒を見てほしい。

・そのために次女に財産を分けてあげたい。

 

花子さんの財産

・自宅

・預貯金

・年金

 

 

このまま何もしないとどうなるか

 

このまま、何もせずに花子さんが認知症になり、その後亡くなるとどうなのでしょうか?

 

✅ 花子さんと幸恵さんの面倒を次女が見ないといけない。

 

✅ 認知症になった花子さんの預貯金の引き出しや解約ができない。

 

✅ 花子さんや幸恵さんかかるお金を次女(の家族)が負担しないといけない。

  

✅ 花子さんが亡くなった後、遺産を分けることができない。

  (分けるには幸恵さんの成年後見人が必要)

 

 

どのように信託を設定するか

 

そこで、これらの問題を解消するために、後見制度民事信託を利用します。

 

まず、幸恵さんのための成年後見人を選任します。

そして、委託者を花子さん、受託者を次女さんとして、花子さんは次女さんに自分の財産の管理や運用を任せる信託契約を結びます。

したがって、ご自宅は、次女さんの名義に変更することになります。

 

 

✅ 信託目的は、母花子さんと長女幸恵さんの安定した生活を維持し、次女への財産の承継を円滑にすること

 

✅ 受益者は、母花子さんと長女幸恵さん。花子さんご逝去の後は、幸恵さん

 

✅ 最終的に遺産をもらう人:次女さん

 

✅ 信託財産:自宅、預貯金

 

 

成年後見と信託によって何が変わるか